ACPJC

PICCに比べてmidlineカテーテルは合併症が少ない

まとめると

midlineカテーテルは先端を腋窩付近に留置する
P(患者):静脈路確保困難または30日以内の抗生剤投与する患者
I(介入):PICC
C(比較):midlineカテーテル
O(結果):PICCで合併症増加(特に血流感染、閉塞)

なぜこの論文?

PICCがよく使われるようになりましたが、米国ではmidlineカテーテルも使われているようです。midlineカテーテルは右房までは進めずに腋窩あたりに先端を留置します。

PICCとmidlineカテーテルでどちらが合併症が少ないか、という研究。

ACP journal clubより

PICC vs. midline catheter use for short-term indications was linked to major complications at ≤30 d
https://doi.org/10.7326/J22-0015
元論文:JAMA Intern Med. 2022;182:50-8.

臨床疑問
・PICCとmidlineカテーテルではどちらが合併症が多いの?
デザイン
・コホート研究。
患者
・10863人、一般病床またはICUでPICCまたはmidlineカテーテルを挿入
・静脈路確保困難または30日以内の抗生剤投与目的
・重要な除外項目:経過観察目的入院
Exposure
・上肢静脈へのPICC新規挿入、先端は上大静脈または右心房
・上肢静脈へのmidlineカテーテル挿入、先端は上腕静脈または橈側皮静脈で腋窩線付近
基金
・Blue Cross Blue Shield of Michigan and Blue Care Network.
結果概要
中心静脈カテーテルの適応が短期の患者において、ミッドラインカテーテル挿入と比べてPICC挿入は、30日以下での主要合併症のリスク上昇と関連していた。

まとめ

短期間の使用ではmidlineカテーテルのほうが合併症が少なく、特にカテーテル感染症や閉塞が少ないという結果でした。

残念ながら、日本で使用可能なmidlineカテーテルはまだありません。4Frくらいの細いシングルルーメンのPICCを腋窩線付近まで進め、カットして固定することで代用してもいいかもしれません。メディコンのPOWER PICCは3Frシングルルーメンがあります。

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